博士と彼女のセオリー を見ました|ホーキング博士と妻ジェーンの恋 [映画]

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博士と彼女のセオリー

博士と彼女のセオリー は公開当時、予告編の美しさに惹かれて劇場で観ました。そのあと、DVDでも何度も見返すくらい好きな作品です。
実話ならではの揺れ動く夫婦の関係が、創られた恋物語よりも美しく感じます。
宇宙の不思議に比べたら、人間の恋愛や結婚なんてちっぽけ。でもその無数の恋が燃え尽きるときに、流れ星のように心をを美しく照らし消えていくものなのかもしれません。

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博士と彼女のセオリー あらすじ

2014/12/25 に公開

“車椅子の物理学者”スティーヴン・ホーキング博士の半生を描いたエディ・レッドメイン主演映画。徐々に体中の筋肉が衰える難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)のハンデを負いながらも理論物理学者の立場から宇宙の起源の解明に挑み、現代宇宙論に多大な影響を与えたホーキング博士と、彼を支え続けた妻ジェーンの実話を感動的につづる。

難病ALSに侵され、余命は2年と宣告されたスティーヴン。一度は彼女・ジェーンとの別れを決意するも、献身的な彼女の想いに押され二人は結婚する。
スティーヴンは病気と闘いながら宇宙の起源に解明を続けた。そしてジェーンはそれを支え続けた。

スティーヴンの体は徐々に自由がきかなくなっていく。重労働がジェーン一人にのしかかる。スティーヴンと子供の世話で限界を迎えていたジェーンは、息抜きのため聖歌隊に入ることにした。そしてそこで指揮者をしている男性・ジョナサンと出会った。

ジョナサンは子供の世話やスティーヴンの世話もしてくれ、家族のようにジェーンを支え、楽にしてくれる。スティーヴンとジョナサンの間で揺れるジェーン。スティーヴンもまた、ジョナサンが自分たちには必要だと感じていた。

そんな時、スティーヴンが旅先で肺炎を起こしてしまい、喉を切開したため話すことすらできなくなってしまう。
揺らいでいた自分の気持ちを責めるようにジョナサンに別れを告げるジェーン。ジョナサンを失い、ジェーンはまた一人でスティーヴンと子供の世話をしなくてはならなくなった。

愛する気持ちだけでは生活はできない。ジェーンは日々の生活に不満を感じ、そしてスティーヴンとすれ違っていく…。

博士と彼女のセオリー 感想

学生時代の二人の若々しさと聡明さ

パーティーで出会った二人はあっという間に恋に落ち、そしてさまざまな話をします。自分の研究について、神について、大学について、など。二人の意見は基本的に一致することの方が少ないです。でもお互いにそれを面白がり、興味深く相手を知ろうとします。
「違う」ことは悪いことじゃない。むしろそんな相手を楽しめる、二人のこの「相手を尊重する」姿勢に深い愛を感じました。

ダンスパーティーでスティーヴンは「なぜブラックライトで男性のワイシャツがより光っているか?」とジェーンに問いかけます。ジェーンはわからない、するとスティーヴンは「タイド(洗濯洗剤)」と答えます。「なぜそんなことを知っているの?」と聞くジェーンに笑いかけるスティーヴン。次の日にジェーンはスティーヴンによって玄関先に置かれたタイドを見つけます。

このシーンはとてもほほえましく、そして洗濯洗剤という全くロマンチックではないものなのに、ユーモアがあり素敵に見えました。甘い言葉や花束なんかよりずっと嬉しいかも。スティーヴンの性格がよく表れているシーンだと思います。

スティーヴンを支え続けたジェーンの強さ

病気が発覚したとき、ジェーンはスティーブンの父親に「私は強くは見えないかもしれない、でも私は彼を愛しているし、彼は私を愛しています。戦わなくては。」とスティーヴンと別れない宣言をします。

この涙を浮かべたジェーンの決意に心を打たれました。恋人の余命は2年、確かに勝てる見込みのない戦いになるかもしれない、それでもそばにいることを決めるにはどれほどの覚悟があったのか。
この決断はジェーンの一生を左右するものでした。そしてきっと、この決断でスティーヴンも絶望の淵から救われ、人生を救われたのだと思います。

余命2年のはずが、スティーヴンは生き、そして子どもが産まれ育っていく

スティーヴンは余命2年と宣告されてなお、生き続けます。そして二人の間にはこどもが生まれ、二人は年を重ねていく。それはとても喜ばしいことでもあり、反面ジェーンにとっては「2年なら頑張れると思った」とよぎる瞬間もあったのではないかと思います。

スティーヴンはどんどん身体の自由を失っていく。成人男性の世話は女性のジェーンにはとても重労働で辛いものだったはずです。夫が長生きしてくれることは嬉しい、でも日々の現実がジェーンをゆっくり苦しめていく、そしてその悩みは他人には絶対に離せない類のものです。
夫には長生きしてほしい、でも私の人生はどうなるの? というジェーンの心の叫びが聞こえたような気がしました。

二人の男性の間で揺れ動くジェーンのリアルさ

疲れ切ったジェーンの前にジョナサンという妻を病で亡くした男性が現れます。ジョナサンはとっても理性的で優しく、スティーヴンとも友好的。ジェーンにとってはありがたい存在でした。そしていつしかその優しさと頼れるところに惹かれていってしまう。

実話だからこそのリアルな展開です。そりゃ何もかも自分でやらなくてはいけない毎日に疲れきったところに救世主のような男性が現れたら誰でも好きになっちゃいますよね。またジョナサンも手を出してはこないけど、熱い視線を送ってきたりして、時間の問題だなーという雰囲気。スティーヴンもそのことに気が付きはじめます。

一緒に観た独身の友人は「結婚してるのに他の人好きになるなんて!」と不満を口にしていましたが、結婚したからってすべての感情を抑制できるわけでもなく、夫婦として家族を守ろうと必死に生きてきたからジョナサンの優しさが沁みてしまったんじゃないかなぁと私は思いました。
人間だもんね、完璧じゃないよね。

I have loved you. I did my best.

二人は少しずつすれ違い、スティーヴンは介護士のエレインに自らの世話を頼むことをジェーンに告げます。それは、スティーヴンがジェーンを解放した瞬間でもありました。

ジェーンは泣き、スティーヴンの手を握り、

I have loved you.

I did my best.

と言います。
日本語字幕では「あなたを愛したわ、最善を尽くしたのよ」となっていますが、
「私はここまでずっとあなたを愛してきたわ、精一杯よ。」みたいなニュアンスじゃないかなぁという気もします。

「愛したわ」という過去形ではなく、「ずっと愛してきた」という今につながる愛であり、そして別れの瞬間にもその愛だけは確かにあったのだと思います。愛があったからここまで来られた。

愛だけでは生きていけない。スティーヴンの痛々しい笑顔と涙。現実が深くのしかかるシーンでした。

見ろよ、我々が創りだしたものを

名誉勲位の授与式にスティーヴンはジェーンを招待します。それは、その名誉勲位は自分を支えてくれたジェーンのものでもあると考えたからだと思います。

その後、庭園で走り回る我が子を見てスティーヴンは言います。

「見ろよ、我々が創りだしたものを」

「宇宙の起源」「時間」を研究し続けていたスティーヴンですが、その研究が認められたことよりも、二人の愛が生み出した3人の子供たちを称えているように見えました。
そして離婚してしまった二人の関係さえも、スティーヴンは3つの命の起源として称え、そして受け入れたのだと思います。

ラストシーンはコマ送りで時間が遡り、今までの出来事が巻き戻しのように流れ、二人の出会いのシーンで幕を閉じます。この演出がズルい! 何回観ても泣けてきます。

若々しく希望にあふれていた二人がいて、恋をして、ここまで来た。時は巻き戻せないけれど、確かに二人はそこにいて愛し合ったのだという事実。
スティーヴンが研究していた「時間」の持つ魅力に吸い込まれそうになります。

おわりに

主演のエディ・レッドメインさんを知るきっかけになった映画でした。なんて美しい笑い方をするんだろうと引き込まれました。彼だったから、この映画はここまで美しく儚い素晴らしいものになったのだと思います。

誰にも若く瑞々しい時期があり、そしてそれは失われていく。それは愛も同じで、時とともに形を変えていく。「時間」はすべてに平等で優しく、そして残酷なものなんだなと思いました。
夫婦の愛を描いた映画ですが、宇宙の神秘や「生きる」ことの不思議を感じる一本です。

劇中歌も素晴らしく美しいのでオススメです

どの曲も美しく流れ星のようなメロディです。夜空なんか見ながら聴いたら涙出ます。

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